文字を書く

生まれた時から周囲の言葉に耳を澄まし

たくさんの言葉を吸収してきた子どもたちは、お話が大好き。

次第に目に訴えてくる文字にも興味を持ち始め、おもむろにひらがなを一文字一文字読んでいるいじらしいお子さまの姿を目にした経験をお持ちの方は少なくないと思います。

そうして文字を指でたどって読むうちに、自然と字を書きたくなるのが人間の性

それでもまだ書く道具を持つ手が出来上がっていない子どもたちには、自分が普段目にしている文字を同じように書くことは難しいです。そこで大きな壁に遭遇するわけです。

「思い通りに文字が書けない!」

モンテッソーリ教育では、そのように文字を書きたい気持ちを叶える言葉のお仕事も用意されています。

例えば『小さい黒板』

黒板とは言っても、実はすりガラスでできています。

ガラス板の下に見本を挟めば、書きたい文字が透けて見えます。

その見本は色で書き順がわかるように用意されています。

透けて見える見本をガラス板の上から、チョークで文字をなぞっていきます

チョークで書いた時の独特の摩擦が楽しいし、濡れたスポンジで簡単に消せて、また書ける。この気軽さが子どもの文字を書くことへのハードルが低くなり、書くことがより身近で楽しいものとなるお仕事です

お次は『なぞり文字』です。

こちらは黒板がトレーシングペーパーに変わります。

筆記用具はサインペン。

こちらはチョークと違って間違っても直せないので、より高度で難しいのですが、そこがまた魅力となっているお仕事です

普段なかなか持てないペンで文字を書き上げた時の子どもの顔は、喜びでいっぱい。

次は「さ行」を書きたい。次は名前を書いてみたい。

一つやり遂げるたびに、次への目標を子ども自身が定めていくのです。

このお写真の年少の女の子はなぞり文字が大好きです。

そして『移動五十音』

五十音の文字カードを並べて、言葉を作っていきます

モンテッソーリ教育ではこの文字のカードを並べる作業も『書く』と言います。

なぜなら、このカードを並べている瞬間、言葉を作っているその時、子どもの言葉を書きたい、表現したい気持ちが満たされている時だからです。

先日、このお仕事をしていた年中の男の子。一つの文字を五十音から探す時、その度に『あ』から順番に唱えていきました。濁音を唱える時には、その独特の音と口、舌の使い方が面白く、他の子どもたちも興味深げに覗きにやってきました。

このように『文字を書く』一つを取っても、系統づけられた様々なお仕事がモンテッソーリ教育にはあります。ここにご紹介したものはほんの一例です。

その全ては一人一人に決して無理がなく、むしろ楽しく、もっと書きたいを刺激する大変魅力的なものです

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© 2014 by Koko Sato

 

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